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JR東日本の投資会社が期待する多角的なモビリティの視点

JR東日本の投資会社が期待する多角的なモビリティの視点

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山本裕典
アソシエイト
JR東日本スタートアップ株式会社

まず、昨年開催されたMOBILITY TRANSFORMATIONに参加されて率直にいかがでしたか?感想をお聞かせください。

とてもおもしろく、勉強になりました。移動・交通・物流の分野だけに特化せず、MaaSやモビリティの変革、デジタル トランスフォーメーションなどに関して、さまざまな業界の方たちの意見が聞け、多角的な観点からモビリティを見るというのがとても斬新だと思いました。

モビリティ分野ではよく聞くテーマの話もあり、それはそれでとてもおもしろかったです。ですが一方で、視点が特におもしろいと感じたのがThe Breakthrough Company GOの三浦さん、博報堂ケトルの太田さん、TikTok Adsの鈴木さんが登壇した「プロに聞く、モビリティ社会におけるコミュニケーションの変化」でした。ああいった広告系の観点からモビリティやMaaS、CASEをとらえることにとても興味が向きました。

モビリティ関連の話を聞く機会は多くありますし、いろいろな媒体で記事にもなっています。それとはまた異なる観点からの話だったので、普段の私にはないようなインプットが得られたなという感想です。

上記以外で何か気になったセッションはありましたか?

私たちJR東日本スタートアップ株式会社は、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル = ベンチャー企業に投資をする事業会社)なので、やはり投資関連のセッションが気になりましたね。DNX Venturesの倉林さん、ゴールドマンサックス証券の鎌田さん、Plug and Play Japanの江原さんによる「資本市場から見たモビリティ業界の今後」です。投資家の観点から勉強になりました。

まだ未来の話だとは思うのですが、最初に挙げていただいたセッションのなかで「車の窓ガラスがディスプレイになったら」といった話がありました。鉄道ではどうなのでしょうか?

鉄道にもあります。導入自体はまだですが、将来的にJR九州とNTTドコモが窓をタッチパネルやディスプレイにして、今見ている景色とリンクさせて観光案内をするというビジョンがあるそうです。そういった未来はあるのかなと思います。

カンファレンスに参加して実際の業務に活かせると思ったことや参考になったことなどはありますか?

また最初に挙げたセッションの内容なのですが「モビリティと地方創生」といった話をしていたことが印象に残っています。私たちJR東日本スタートアップ株式会社も、地方創生をミッションに掲げています。

セッションのなかで「セレンディピティ」というワードを頻繁に使っていて、あまり普段は聞かない言葉なんですが、意味を調べたり、話のくだりから理解したりするとおもしろくて「偶発的に人が体験をすること」だと。そういったものとモビリティをうまく組み合わせて地方に人を送り込んでいく、関係人口を増やしていくといった考え方は、私たちが取り組んでいく上でも参考になりますね。

御社では地方創生の取り組みをかなりされているのですか?

はい、取り組んでいます。JR東日本における地方創生は、特に東北地方がメインとなっています。

東北には無人駅などもけっこう多いですよね。

そうですね、今年も地方創生という観点で無人駅を使った新しい取り組みをしています。いわゆるグランピングなのですが、これまで1日20人くらいしか乗降客数がいなかった駅や街を活性化させていこうというものです。たとえば、群馬県の山の麓にある土合(どあい)駅というところを活性化させるといったことをやりました。

また、昨年クラウドファンディングを使って地域の方と連携し、無人駅に人が集まる場所を作ってもらったりしています。無人駅ではないのですが、福島県の小高(おだか)駅というところで地域の方々と協業しての地域活性化も進めています。

別の取り組みでは、活用が難しかった鉄道高架下で苔の栽培をすることで、障がい者雇用を生み出したり、防草効果などに有効活用したりできました。そういった形でさまざまなスタートアップ企業とも一緒にやらせてもらっています。

2020年4月末にもMOBILITY TRANSFORMATIONをONLINEで開催する予定ですが、期待していることはありますか?

前回(2019年11月開催)のように、多角的な観点からモビリティに対する意見が欲しいですね。私たちが普段聞けないような業界の方からのアウトプットがあれば良いなと思っています。

Mobility Transformationに参加する人はモビリティに対する感度が高い方や、強い興味をお持ちの方が多いと思います。そこだけで終わらせず、ワークショップだったり、分科会だったり、勉強会だったり、それこそ飲み会やまた別のイベントでもいいのですが、そういったものに発展させてみてもおもしろいのではないでしょうか。そのなかに鉄道業者だけで集まる会をつくって、そこに東急電鉄の加藤さんや小田急電鉄の西村さんなどをお呼びして鉄道会社から見たMaaSを徹底的に議論する会、などを一度やってみるのもおもしろいかなと。

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