ドライバーエンゲージメントサービス「SmartDrive Cars」とは?

ドライバーエンゲージメントサービス「SmartDrive Cars」とは?

2019年11月14日、スマートドライブが新たなサービスがリリースしました。それが、安全運転を見える化してポイント交換・利用ができるドライバー支援サービス「SmartDrive Cars」です。同サービスの事業責任者を務める牧野孝太郎さんに、どのようなサービスなのか、企業がどのように活用できるのか、根掘り葉掘り伺いました。

新たなドライブ支援サービスを目指す「SmartDrive Cars」

SmartDrive Carsはどのようなサービスか教えてください。

SmartDrive Carsは、一般のドライバーや企業でドライバーとして働く人向けに提供しているスマートフォンアプリです。スマートドライブのIoTデバイスをアクセサリーソケットに挿して走行いただくと、独自に開発した高性能なセンサーが運転操作を計測し、安全運転診断を行います。急ハンドルや急加速、急ブレーキといった急な操作を検知してスコアリングし、運転状況を可視化した状態で1回分の走行を評価。この安全運転評価に応じてインセンティブやクーポンを提供する仕組みです。

どこか地方へいった時はその場所で利用できる特別なクーポンがもらえるとか、安全運転スコアが高い方は割引率の高いクーポンを付与できるようにするなど、現在も精力的に機能の向上に向けて開発を進めている最中です。

2019年の11月14日よりサービスを開始しましたが、現在は法人企業様のみにサービスを提供しています。まずは、モニターとして損害保険会社様に利用いただき、保険の契約者様にIoTデバイスを配布し、その方達にアプリをご利用いただく流れです。今後は一般ドライバー向けにも展開していきたいと考えています。クーポンの種類は、コンビニでコーヒーをはじめとしたドリンク類や軽食との交換、コカ・コーラの自動販売機でお好みの飲み物との交換、またアマゾンギフト券に交換できるものまで、安全運転をすればするほどおトクなポイントが付与されます。

ドライブタイムこそ、エンゲージメントを高めるチャンス

SmartDrive Carsは、具体的にどのような利用方法が考えられるでしょうか?

利用方法としては大きく2つの観点で想定しています。1つ目が自動車メーカー様、ディーラー様、整備工場などの自動車関連企業に向けたデータの活用です。自動車関連企業がお客様と接点を持つのは、販売時や点検・整備などのメンテナンス時程度しかなく、実際にどのように利用されているのかといった普段のお客様の状況・情報は把握されていません。

そこで普段のカーライフ情報や、移動情報など、SmartDrive Carsを通して大まかな統計データを取ることで、お客様のCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント:顧客関係性マネジメント)ですとか、マーケティングに活用いただけると考えています。それが、私たちが「ドライバーエンゲージメントサービス」と呼んでいるものです。企業様は、安全運転キャンペーンを実施してオリジナルグッズを配ったり、オイル交換や洗車のタイミングといった情報発信で来店を促したりして、お客様とのつながりをより深めることができる。お客様は割引などのサービスを受けることができるので、おトク感が得られます。

2つ目は、業種を問わず、業務の中で車を利活用している企業さまに向けた活用方法です。営業で一日車を運転しているとか、マイカー通勤をしているとか、企業によって利用スタイルはさまざま。地方企業の場合、車で通勤していると会社の周りが渋滞することもありますが、渋滞の緩和にもSmartDrive Carsが役立ちます。出社時間が9時の企業であれば、およそ10分〜15分前から会社の近辺が混雑を始めます。ここで、時間が重ならないよう8時に出社した従業員にはポイントを2倍付与するなどの施策を打てば、出社時間を分散させることができ、渋滞の緩和につながるでしょう。

また、日常的に運転する場合は安全運転評価に対するフィードバックでポイントを付与するなど、安全運転の促進と福利厚生、両方の視点で利用いただくことが可能です。

先ほど、統計データによってお客様とのつながりを深めるとおっしゃっていましたが、たとえば、安全運転しているAさんと、運転が少し乱雑なBさんがいた場合、それぞれのユーザーとどのようにつながりを構築していくのでしょうか?

まずは自動車関連企業のケースでお話しましょう。車を購入した後は点検やメンテナンスが必要となりますが、一人ひとりの運転の癖や、普段訪れる場所がデータから把握できれば、走行距離を考慮して通常より少し早めにご連絡差し上げたり、点検の予約が取りやすい時期をお知らせしたりすることができます。そうやって、こまめに情報発信とフォローを行い、次の買い替え時までお客様との接点を持つことで、いざタイミングがきた際に、運転が苦手そうな方にはより安全性能が高い車をご提案することもできますよね。
法人企業ですと、どのタイミング、どのエリアで頻繁に車が利用されているのか、大まかな情報が取得できますので、事故が起きやすい場所にはヒヤリハットマップを作成して提供したり、渋滞が回避できる通勤経路を提示したりするためにご活用いただけます。

プライバシーに対する懸念は?

ドライバー視点ですと、そうした走行データを取得されることに懸念を抱く方もいると考えられますが、そのあたりはどうでしょうか?

中には行動が丸見えになるので「走行データを取られるのは嫌だ」という方もいます。車を所有する企業だと、四六時中監視されているみたいだとネガティブなイメージを持つ従業員の方も少なからずいらっしゃいますし。ただ、このサービスは行動を監視することが大きな目的ではなく、あくまで安全運転をしながらドライブを楽しむこと支援するためのもの。自分が環境にも優しい穏やかな運転をすることでクーポンがもらえますし、まだ出会ったことがない情報に出会うことでドライブに対する新たな楽しさや価値を提供することに重きを置いています。

新しい情報に触れることで、「今日はこの道を走ってみようかな」「運転が今まで以上に楽しい」など、今までにない世界観を作りたいと思っています。いつもより少し安全運転への意識を高めるだけで、もっとドライブをしたくなる世界に出会えたり、実利としてクーポンがもらえたりしますので、ユーザーメリットの方が大きいと考えています。

街中にある監視カメラも、当初は監視されている気がして落ち着かないという声をよく耳にしました。しかし、安全面に対するメリットの方が高いので、今ではあまり気にされなくなっていますが、話としては近しいものがありますね。これから、SmartDrive Carsはどのような進化を遂げていくのでしょうか?

最近では、移動の効率化や電車・バス・タクシー・カーシェアをシームレスにつなぐ概念として、頻繁にMaaSというバズワードが飛び交っています。しかし、移動によって経済が動いたり、楽かったりすることも数多くあると思うんです。将来的には車に限らず、移動を促進できるもの、移動したくなるもの、移動をポジティブな体験に変えるサービスや仕組みを作れるようになりたいですね。
そこでまずはじめた1つがクーポンです。これはジャストアイディアですが、ショッピングモールの入り口から近い場所へ安全運転者専用の駐車場が設置できたらどうかなって。安全運転する人が得をする。ならば、安全運転を心がけよう。そういう雰囲気が広がれば、事故も大幅に減らすことができるはず。それが、いつか実現したい世界です。移動したら楽しいことがある。外の世界にワクワクを求めて「移動したいな」と思わせることができるハブになっていきたいですね。

今後、どのようにサービスを進化させていきたいですか?

いちはやく、多くの方々が使っていただけるようにプロダクトとサービスを磨き、移動をもっと楽しくする世界を作っていきたいと思います。また、SmartDrive Carsユーザーにクーポンを提供したい企業様や、自社の社員にSmartDrive Carsを提供したい企業様がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。

bnr_MDP2020-600x500