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前編:激動のモビリティ業界で新たな価値を提供するために。社内外で大変革を推進するキムラユニティーの野望

前編:激動のモビリティ業界で新たな価値を提供するために。社内外で大変革を推進するキムラユニティーの野望

100年に一度の大変革期真っ只中にある自動車業界。1881年の創業以来、自動車産業の発展とともに事業展開を行ってきたキムラユニティーは、数年前より危機感を抱いてきたと言います。
「時代が変わりつつある今、私たちも変わらなければならない」--。社内全体、そしてビジネスに新たな息吹をもたらそうと、今までとは視点を変えてサービスの構築や協業に取り組んでいます。そこで今回は同社より段哲也さま、江尻智宏さま、齊藤繁さまをお招きし、キムラユニティーの大変革の根幹にある思い、そして新たな価値とは何かを語っていただきました。

「今までと同じ」ではいけない。変わりゆく自動車社会の中で新たな価値を提供するには

キムラユニティー様の事業内容について教えてください。

段:キムラユニティーは「車社会に夢・豊かさ・安心を」提供するために、車が生まれる時から廃車になるまでの全ての工程に携っている企業です。CASEやMaaSという言葉が浸透し、自動車社会が大きく変わりつつある中で、私たちは今後、どのような価値を提供していくべきかが最重要課題になっています。

キムラユニティーは人の手でお客様に価値を提供することに強みを持つ会社です。しかし、時代はデータによる事実との向き合いかたによって、変化しています。昔は自動車などからデータを取ることが難しく、人が動いて気合いと根性で課題を乗り越えてきましたが、今は根拠となるデータがあります。ですから、そのデータをもとに有効かつ価値あるサービスをお客さまへ提供していかなくてはなりません。人が頑張ることを否定するわけでありませんし、そこを変えるつもりもありませんが、プラスアルファとしてデータを活用した価値の提供が必要だと考えているのです。

近年の変化のスピードを考えると、今は取れないデータもこの先10年で正確に取得できるようになるでしょう。私たちもそのスピードに負けることなく変わっていかなくてはなりませんし、自動車業界の変化に合わせて価値を提供する事業を育てていかねばなりません。

総合カーマネジメントサービスを提供されているキムラユニティー様のお客様は営業車やトラックなど社用車を保有する法人企業がメインです。お客様が業務負担を減らす、利益を増やすために全力でサポートされてきたと思いますが、今後はデータを活用したサービスも展開していくということでしょうか?

段:メインと言いますか、うまく活用してより高価値なサービスを提供するイメージです。わかりやすい例が、安全運転教育。テレマティクスやスマートドライブのデバイスもそうですが、モビリティデータが取得できることで提供できるサービスも多様化するでしょう。

今までは、教育セミナーの実施や事故を起こした方に対して集中的に教育するくらいしかできませんでした。私たちはこれらのサービスを提供しているにもかかわらず、本当に有効なのか否かは把握できていなかったのです。お客様から交通事故を減らしたいと要望をいただけば安全運転意識を高めるための施策をいくつか提案します。ですが、実施後に発生した事故についてはお客様の責任だと一部で考えていたところもあるかもしれません。

危険運転の挙動をデータで数値化して教育後と比較できれば、お客様にもサービスの有効性がわかりますし、実施する意義もご納得いただけます。つまり、モビリティデータがあれば効果の有無を検証でき、さらに有効かつ適切なサービスを提供できるのです。

お客様をハッピーにするには?を考えに考え抜いて開発した「KIBACO」

新たなビジョンを掲げて突き進んでらっしゃるキムラユニティーさまが取り組むプロジェクトの一つが、動産情報など車両に関連するデータを管理する「KIBACO」ですが、改めて、KIBACOというサービスについてご解説いただけますか。

江尻:弊社ではもともと、車両管理データを一元化できるTCS Webというツールを提供していました。これは、動産管理台帳代わりに使用できるもので、お客様の保有する車のリース契約や保険、車両に関するデータを集めて、適切に管理するツールです。ただ、データベースとしては優れているものの、データを活用してコスト削減や業務の効率化につなげるような機能はありませんでした。

KIBACOは、お客様自身が課題に気づいて改善に向けた施策を検討できるツールとして、ダッシュボードを用意したり、通知を受けて次にアクションにつなげたりできる仕組みを取り込んでいます。

段:「お客様自身がデータを見て次のアクションにつなげる」ことが重要なんです。私たちとしては、スマートドライブさんのような企業と協業しながら、KIBACOを軸にさまざまなソリューションとつながり、ハブのような存在になりたいと考えています。今までのデータは「見る」ことしかできませんでしたが、今は「使う」へと変わり、これからは「つながる」ことに注力していきたいと思っています。

お客様目線で実際にKIBACOを見せていただきましたが、保険料やリース料、共有者の予約など、非常に使いやすく、お客様にとって必要なものが全てまとまっていると感じました。これはキムラユニティー様が今までお客様と接して気づいたこと、車両管理BPOを提供して培ってきた知見によるものかと思いますが、その中で苦労をされたことがあれば教えてください。

齊藤:たとえば、保険料の管理という項目があるのですが、KIBACO以前の保険料については、担当の営業が手計算でシミュレーションして紙ベースでお客様にお見せしていたんです。当時はそれをシステムに組み込むなんて思ってもいませんでしたし、誰でも簡単に計算できるようにするにはどうすればいいのかさえわかりませんでした。ですから、開発に当たっては、何から何まで苦労したというのが正直なところです。

段:私たちができることだけを主軸に考えてしまうと、お客様のニーズから少しズレてしまいますので、企画の段階からサービス提供者としての視点に捉われるのではなく、つねにお客様視点で考えるようにと口酸っぱく伝えてきました。

齊藤:段からよく言われたのが、「何ができるのかを独りよがりでアピールしないこと。最終的に、お客様がその機能やサービスによって何を解決できるのか。そこが想像できるまでのレベルにまで落とし込まないとお客様の心には響かない」と。ただ、それを形にするのがとにかく大変でした。(笑)

段:大袈裟な話ではなく、お客様を幸せにしたいじゃないですか。KIBACOを使うことで、お客様がどうハッピーになるのか。とにかくそれを私に教えて欲しいと何度も言いました。そういう意味では、まだまだKIBACOは改善の余地がありますし、進化の過程にあると思っています。

KIBACOを使用するお客様が“ハッピー”になる姿を想像するとおっしゃいましたが、それは具体的にどのような状態を言うのでしょうか。それは、KIBACOのあるべき姿と言いますか、目指すべき最終ゴールになるのでしょうか。

齊藤:KIBACOの開発コンセプトは「安全・安心、コスト削減、コンプライアンス」。この3つを実現することが、企業にとってハッピーなことだと私たちは考えていますし、これは私たちが何度も頭を捻らせて絞り出した答えです。

KIBACOを軸に、会社全体に大変革を起こす

安全・安心は事故防止につながりますが、開発前に思い描いた内容とブラッシュアップしていく中で差異を感じた箇所はございましたか。

齊藤:事故後の結果管理より、事故を未然に防ぐ事前の対応ができなければ、本当の安心・安全にはつながらないと考えるようになりました。

段:結果管理だと、お客様は幸せになれませんから。そもそも、事故が起きないことが理想です。

弊社には、DSS(ドライバー・セイフティー・サービス)という50年近く続く安全運転専門の部署がありますが、KIBACOを開発する中で安全を考えた時、DSSの関わり方についても考える必要がありました。さまざまなデータを取得して活用する方向へと舵を切る中で、DSSも「できることをしよう」ではなく、結果から逆算してやるべきことを考えなくてはなりません。そのため、現在は「リボーンDSS」というプロジェクトを立ち上げ、今までにお客様に提供していたメニューを含めて一から見直しているところです。

「リボーンDSS」をはじめ、社内の考え方をガラリと変えるには、それ相応のパワーが必要かと思います。

段:もう、ずっと大変です(笑)。弊社は真面目にコツコツと取り組むことは得意ですが、新しい取り組みへの挑戦には苦手な面がありますので、変革するには強大なパワーをかける必要がありました。

今までは変わらないことを美徳とし、一つひとつ丁寧に、着実に実績を積み重ねて歴史を紡いできました。ただ、モビリティ業界がガラリと変わりつつある今、見えない大きなピンチが近づいている。それには代表も“見えない危機感”を抱いたようです。過去にも何度かピンチが訪れましたが、今のピンチは目には見えないから実感しづらい。ですが、変化のスピードが早いので、このままぼーっとしていると立ち向かっていくことができません。だからこそいま、変わる必要がある。

外から見ると、キムラユニティー様は順調に成長してきた堅実な会社というイメージがあります。ピンチと捉えられるようになったきっかけはなんでしょうか。

段:急激に業績が落ちたわけではないんです。社長からはここ数年今のままで本当に大丈夫か?と頻繁に聞かれるようになりました。おそらくですが、自動車や物流などが大きく変革している中で私たちが「今と同じように仕事していれば大丈夫」と思っていることに対し、危機意識を持ったのだと思います。

江尻:従業員間や組織の壁も、社内変革を進めるうえでは大きなハードルです。すべての業務はつながっていいますので、会社全体のことと捉えながら取り組んでいかねばなりません。

そういう意味では、KIBACOはDSSのスタッフも含むさまざまな部門が参画しているのではないでしょうか。

段:そうですね、社内においてもKIBACOを中心にして今まで以上にさまざまな部門がつながり、協力し合えるような環境を作っていきたいと考えています。TCS(トータルカーサービス)事業本部の中には多様な事業部があるだけに、各部門の連携強化は非常に大きなテーマになっています。カーマネジメント事業部だけでも、保険やリースなど、取り扱う商材ごとにある見えない壁をすべて、KIBACOで取っ払っていきたいのです。

そして、将来的には全社員が足並みを揃え、KIBACOでお客様により大きな価値を提供できるようになりたい。前身であるTCS WebはBPOのシステムでしたが、たとえば整備担当のスタッフが、お客様に車検の予約情報など発信するなど、KIBACOはキムラユニティー全体で一丸となって価値を提供できるサービスへと進化させたいのです。そして、KIBACOを柱に社内が一枚岩となり、その先にスマートドライブさんのようなパートナー企業様とつながっていければと。

齊藤:これからの時代、一社のみで戦っていくのは困難ですからね。

段:もともと弊社は自前主義という考え方で、自社のみで完結してきたところがありますが、これからはそういう時代ではありません。強みを持ち寄り、互いに強化していかなければ成長は難しいでしょう。とくにデータの活用については弊社単独でできるものではないと思っていますから、プロフェッショナルな人、企業と協力しながらビジネスを展開していくべきだと考えています。弊社としては、今までにコンテンツや技術など、今まで築き上げてきた知見や価値を提供できますので、お互いにつながって同じ目線に立ち、より多くのお客様に今までにないような大きな価値を提供していきたいですね。

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