オフィスになる電気自動車「e-NV200 WORKSPACe」とは
この斬新な電気自動車「e-NV200 WORKSPACe」は日産とイギリスのデザイン会社「Studio Hardie」がタッグを組んで開発されました。
日産が提供しているゼロエミッションの電気自動車「e-NV200」をオフィスとしても使えるように改造。机や椅子に充電器はもちろん、コーヒーマシンまでも設置されている、まさに「動くオフィス」と言えるような自動車です。
「e-NV200 WORKSPACe」の機能
動くオフィスと聞いてなんとなくはイメージできるかもしれませんが、具体的に何ができるのか詳細がきになる所ですよね。ざっと機能を紹介していきます。
- 折り畳み式の机
- 椅子×2
- タッチスクリーンのコンピュータ
- ワイヤレスインターネット
- スマホで操作できるLEDライト
- ワイヤレス充電器
- Bluetoothオーディオシステム
- 小型冷蔵庫
- コーヒーマシン
- 移動用の折りたたみ自転車
他にも備え付けで欲しいものがあるかもしれませんが、仕事をする上で必要最低限の道具はそろっていえるのではないでしょうか。
机周りやネット環境、電源は当たり前として、小型冷蔵庫やコーヒーマシンまでついているのは嬉しいですよね。ちょっと一休みにコーヒーを飲んだり、冷たいドリンクを飲んだり。数時間作業することを想定すると、これがないと困るという人も多いかもしれませんね。
背面のドアには小型の折りたたみ自転車を収納できるようになっています。
車の充電中の移動手段としてだけでなく、車だと行きにくい場所へ向かう際の手段としてや、ちょっとした気晴らしにもピッタリです。町外れのパーキングに車を止めて、渋滞がひどい中心部へは自転車で出向くという使いかもできるでしょう。
走るオフィスの背景にある、未来の働き方
そもそもなぜこのような車が生まれたのでしょうか。
日産のプレスルームでは「未来の働き方」として「e-NV200 WORKSPACe」が紹介されています。
その背景にあるのは、ここ数年の働き方の変化です。日本でも数年前に「ノマドワーク / ノマドワーカー」という言葉がメディアで頻繁に取り上げられていましたが、特定のオフィスではなく様々な場所で仕事をするスタイルを始め、コワーキングスペース(ホットデスク)やシェアオフィスのようにオフィスを複数人で共有するスタイルが普及してきました。
コンセプトムービーでも紹介されていますが、このホットデスクは世界中で流行しており、2015年には36%も増加しているそうです。
同時に、ITの進歩などの影響でオフィス外でできる仕事が増えたこともあって、作業の柔軟性が増し、在宅勤務やリモートワークなど仕事の仕方も変わってきています。
このような働き方の変化は今後さらに促進されていくのではないでしょうか。その1つのスタイルとして、「e-NV200 WORKSPACe」のようなモバイルオフィスにも大きな可能性があります。
「e-NV200 WORKSPACe」のメリットとデメリット
メリット
最大のメリットは、文字どおり「好きな場所で仕事ができる」「車が一瞬でオフィスに変わる」ことでしょう。
気分転換にオフィスの場所を移動したいと思っても、通常のオフィスであればそう簡単にはいきませんが、「e-NV200 WORKSPACe」であれば気軽に場所を移動できます。ネット環境さえ繋がれば、眺めのいい山沿いの停車場も、心地いい海辺も、営業先の近くにあるパーキングもすぐにオフィスへ早変わりです。
ちょっとした空き時間にカフェやワーキングスペースを探す手間も省けるでしょう。
デメリット(懸念点)
デメリットというより懸念点ですが、電気自動車のため当然バッテリーがあり、充電する必要があることは念頭に置いておく必要があります。
e-NV200は、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から80%まで充電するのに約30分かかるとされていますから、当然この時間は運転できません。オフィスとして使用する際の電力(PCやスマホの充電時など)がどれほどのものかは明らかになっていませんが、どのくらいの時間使い続けることができるのかも重要なポイントです。
違う観点では、使う人によってはオンオフの切り替えが難しくなるかもしれません。要は車があればいつでも仕事ができるようになってしまうため、自分の中で明確な基準や線引きができていないと、かえって効率が悪くなってしまったり、ストレスの種になってしまう可能性もありえるでしょう。
好きな場所で、スマートに働く
従来のオフィスの方が良い面はもちろんあるでしょうし、車で働くのは嫌だという方もいるとは思いますが、新しい働き方・新しいオフィスの手段としては非常に面白いコンセプトと言えるのではないでしょうか?
ここ最近、「仕事の生産性」という言葉をよく耳にしますが、そのためには仕事のやり方を見直すことはもちろん、自分が働きやすく、最もパフォーマンスを発揮できる場所で働くことも重要です。
在宅勤務やリモートワークのようにオフィス外で働く際の手段として、「自動車で働く」というスタイルも、これからは受け入れられていくのかもしれませんね。