トヨタ、akippa が業務提携
昨年12月に開始したナビゲーションサービス「TCスマホナビ」は、従来のナビゲーション機能の視認性・操作性を一層高め、「Tプローブ交通情報」や「通れた道マップ」を常時掲載してくれるすぐれモノ。
災害対策機能の強化にも努め、通れた道マップに被災地の航空写真を表示することを可能としたほか、2017年には、通れた道マップを反映したナビゲーションのルート探索機能を追加する予定です。
さらにこのアプリの中には駐車場の検索や予約、予約した駐車場までのナビゲーションが組み込まれた予約駐車場サービスも備わっています。この予約駐車場サービスは、akippaのサービスを利用したもの。akippaは、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫などを15分単位でネット予約して駐車できるシェアリングエコノミーサービスで、現在約7,500以上の駐車場拠点数を確保しています。
今後はトヨタの関連ディーラー等が所有するスペースを使った駐車や、点検などのサービスの提供も予定しており、パーク24株式会社が展開する同様のサービスとも連携を進める予定。
このアプリのリリースとともにトヨタ自動車はakippaと業務提携を締結しました。これによってakippaは、トヨタ自動車と三井住友銀行が出資する「未来創生ファンド」から数億円規模の出資を受けることに。これを機に今後もさまざまなパートナーシップを構築していくと発表しています。
駐車場は予約する時代へ。akippaの狙い
今回トヨタ自動車と業務提携することになったakippa、一体どんな会社なのでしょうか?
Akippa株式会社は、駐車場不足という問題を解決すべく全国の空いている駐車場をかんたんにシェアできるサービスを展開しています。2014年にサービスを開始し、たった2年で急成長を遂げています。
その人気の秘密は15分40円〜50円と(地域によって異なります)、従来の駐車場の半額以下で利用することができ、拠点数も多いため駐車場を探して同じような箇所を彷徨う・・なんてことを解消してくれるところ。
月に600拠点のペースで新規開拓を進め、業界で第1位の拠点数とされるタイムズを追い抜く勢いで拡大し続けています。東急電鉄や住友不動産、三菱地所、大阪市など、法人や自治体からの貸し出しも増え、今後も一気に拠点数の増加が早まるとみられます。
カーナビとの連携を強化しているakippaは、世界シェアトップクラスのアイシン・エイ・ダブリュやNAVITIME 、YAMAHAのバイクのナビでの予約ができるそう。
都心部となるとなかなか駐車場が空いていないことも多い現状において、10日前から駐車場の予約ができることが大きな魅力。平日300円の駐車場が、土日祝は3,000円でも満車になり、10,000円の月極駐車場でもakippaで貸しだすと月の売り上げが5万円上がることも。時間に応じて利用できることが消費者のニーズにマッチしているのでしょう。Airbnbを彷彿させますが、その駐車場版といったところでしょうか。
自動車業界、新たな道へ
2016年は世界10位で国内販売数3位のスズキと業務提携を行ったことで世間を賑わせたトヨタ自動車。
車を所有する人が減り若者の自動車離れも相まって新車の販売台数が下降を見せる中、自動走行車の開発や次世代カーシェアなど自動車業界は新たな局面を迎えています。
今回のakippaというスタートアップ企業と最大手車メーカーであるトヨタの業務提携からも見てとれるように、技術の発達や消費者(ユーザー)の変化に伴い、業界構造やサービス提供の枠組みがどんどん変化してきているということでしょう。車メーカーは完成車だけを売っていれば安泰という時代も終わりを告げているのかもしれません。
今後も今回のように業界をあっと言わせるような業務提携や協業は数多く創出されていくのではないでしょうか。